相じゃくり

欠き取った部分を重ね合わせる技法
「相じゃくり」とは、板などの接合方法の一つです。材の端部分の厚さを半分ずつ欠き取り、互いに重ね合わせることでつなげる加工のこと、あるいは接合方法をそう呼びます。
「相じゃくり」は漢字だと「相杓り」「相決り」「合決り」。「じゃくり」は「しゃくり」で、中がくぼむように削ること、しゃくることです。二つをしゃくるから「相じゃくり」というわけです。
建築用語辞典では三水(さんずい)が二水(にすい)になっていることもあります(相决り、合决り)。ネットでは「決り」が一般的ですが、元は略体字である「决り」のほうが一般的だったのかもしれません。また、「ちがいはぎ」「相欠き(あいがき)」と呼ばれることもあります。「ちがいはぎ」は、布や板などをつなぎ合わせることを「接(は)ぎ合わせる」「接ぐ」などと表現するから(「矧」の文字も使われる。「相じゃくり矧ぎ」と呼ぶこともある)。「相欠き」は、見たとおりです。
「端部分を欠き取って合わせる」ことがイメージしにくければ、ジグソーパズルやレゴブロックを想像してみると良いかもしれません。両者とも、接着してはいないけれどもしっかりと接合される構造になっています。同じように、「相じゃくり」も簡単に木材などを接合することができます(必要な箇所は接着剤や釘などを用いて固定します)。
「相じゃくり」の用途
「相じゃくり」は、主に天井や壁などの板材やサイディングに使われますが、接合部分にはわずかな隙間ができます。例えばサイディング外壁の場合は、この隙間が浸入した水分を下に逃したり、防水シートとの間に溜まった湿気を排出する効果があります。湿気・水分は建物の大敵ですので、「相じゃくり」は住宅などを長持ちさせるために貢献していると言うことができます。
ただし、年月が経てば建物は劣化します。外壁の場合、表面の塗装が劣化すれば外壁材が水分を含むようになり、また、寒暖差で膨張と収縮を繰り返すため、板材には反りが生まれます。反りが生じると「相じゃくり」の隙間が大きくなってしまい、見た目が悪くなったり、雨水を浸入させてしまうことがあります。部分的にシーリングなどで補修することもできますが、ひどくなると打ち替えが必要になるため、最近では目地なしサイディングといった製品も登場しています。
「相じゃくり」の隙間をどうするか
「相じゃくり」の隙間が気になるという方もいらっしゃいますが、サイディングの隙間をシーリングなどで塞いでしまうと通気性が失われ、保証対象外となることもあります。どうしても見た目が気になる場合は、まずは専門家に相談すると良いでしょう。
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